香川・高松の定番観光ルート

瀬戸内海の玄関口として発展してきた香川県・高松市。世界最長クラスの二層式橋「瀬戸大橋」が1988年に開通し、本州と四国を結ぶ交通の要衝となりました。今回は、高松を1日で巡るおすすめプランをご紹介します。
高松市の基本情報
四国の北東部に位置する高松市は、面積約375.67平方キロメートル、人口約419,912人(2023年時点)の都市です。気候は瀬戸内海式気候で比較的降水量が少なく、梅雨や台風シーズンに集中して雨が降るのが特徴です。交通手段としては、東京・羽田空港から高松空港までは飛行機で約80分。空港からJR高松駅へはリムジンバスで約40分ほどです。また、高松空港からは上海・台北・香港などへの国際線も就航しているため、海外とのアクセスも便利です。
瀬戸内海に面していることもあり、島々へのアクセスが充実している点も高松の魅力の一つ。活気ある商店街や歴史的な名所など、多彩な観光スポットがギュッと詰まった街ですよ。
1. 玉藻公園

「玉藻公園」は高松城跡を整備して作られた国指定の史跡で、城郭の面影を色濃く残す歴史公園として有名です。「玉藻」という名称は、日本最古の和歌集『万葉集』に由来しています。讃岐国領主・生駒家(4代54年)と高松藩主・松平家(11代228年)の居城として長らく受け継がれ、瀬戸内海の海水を堀に引き込む“水城”としても知られています。




公園内には、国の重要文化財に指定されている艮櫓(うしとらやぐら)や月見櫓、水手御門(みずてごもん)、渡櫓(わたりやぐら)、披雲閣(ひうんかく)など、歴史薫る建造物が並びます。特に披雲閣前庭の枯山水庭園は国指定名勝に指定されており、静寂の中で日本庭園の美を堪能できます。堀のボート遊覧や天守台(現在は展望台)の眺望も楽しめ、庭園では盆栽の展示即売が行われていることもあります。リーズナブルで珍しい樹形の盆栽に出合えることもあるので、盆栽ファンにはたまりません。

映画『春の雪』(2005年)や黒澤明監督『椿三十郎』(1962年)のロケ地にもなった場所で、歴史好きだけでなく、映画ファンも訪れるスポットです。
開園時間
- 4~9月:7:00~18:30
- 10~3月:8:30~17:00
入園料
- 大人(16歳以上):200円
- 小人:100円
2. 栗林公園

国の特別名勝に指定、ミシュラン三ツ星の大名庭園

高松を代表する名勝といえば、国の特別名勝に指定され、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星を獲得した「栗林公園」です。400年の歴史を持ち、1631年頃に西嶋八兵衛によってその基礎が築かれ、1642年に高松藩初代藩主・松平頼重が改修、さらに1745年に5代藩主・頼恭が完成させたといわれています。


南庭と北庭に大きく分かれ、6つの池と13の築山が巧みに配置された庭園は、約75ヘクタールの広大な敷地を誇ります。南庭を一周すると約60分、北庭は約40分ほどかかるため、のんびりと自然を楽しみながら歩きたい方には絶好の散策コースです。

撮影スポットも充実しており、「掬月亭(きくげつてい)」や「根上(ねあがり)五葉松」、富士山に見立てた築山の「飛来峰」は特に見応えがあります。徳川家斉から贈られた盆栽がそのまま大木化したという「根上五葉松」は、高さ約8メートル、根元周囲3.5メートルにも及ぶ迫力満点のシンボル。四季折々に表情を変える松や池の景色は、何度訪れても新たな発見があるはずです。

入園料
- 大人:410円
- 小人:170円
アクセス
- JR「栗林駅」より徒歩約20分
- 「栗林公園前」バス停から徒歩1分
3. 香川県立ミュージアム(博物館・美術館)

博物館と美術館の機能を融合した総合文化施設
博物館と美術館の機能を融合した総合文化施設が「香川県立ミュージアム」です。展覧会や講座、研究調査を通じて香川の文化拠点としての役割を担っており、地元の芸術家や歴史に触れられる多彩な常設展示・特別展示が行われています。
館内は1階に体験学習室、図書コーナー、ミュージアムショップ、カフェなどがあり、2階には常設展示室と特別展示室、3階は歴史展示室、地下1階には研修室や講堂が整備されています。常設展示では香川県ゆかりの画家・芸術家(樋笠数慶、鎌倉秀雄、井上明敏 など)の作品が鑑賞可能です。美術や歴史に興味がある方はもちろん、ちょっとした息抜きや知的刺激を求める方にもぴったりのスポットです。
入館料(常設展)
- 大人:410円
- 高校生以下:無料
開館時間
- 9:00~17:00(最終入館16:30)
アクセス
- JR高松駅から徒歩約20分(自転車なら約5分)
4. 高松サンポート(高松港)

瀬戸内海を一望できる観光拠点
JR高松駅から徒歩約7分の場所に広がる「高松港」周辺は、小豆島や直島、女木島、男木島など瀬戸内の島々へ渡るフェリーターミナルとしての機能を持つ観光拠点です。2019年には「日本夜景遺産」に登録され、瀬戸内海に沈む夕日や幻想的な夜景が楽しめるスポットとして注目を集めています。堤防にある赤灯台は高さ14.2m、1600個のガラスブロックを使用した世界初の全面ガラス製灯台で、ライトアップされるとまるで海に浮かぶ宝石のように輝きます。船を待つ時間ですら、ちょっとした海辺の散歩を楽しめるのが高松港の魅力ですね。




- 2019年、「日本夜景遺産」に登録されたサンセットと夜景が魅力。
- 堤防にある赤灯台は高さ14.2m、1600個のガラスブロックを使用した世界初の全面ガラス製灯台。
5. 高松シンボルタワー
四国最高層ビルで夜景を無料観覧
JR高松駅の南側にそびえる高さ151.3mの「高松シンボルタワー」は、四国で最も高いビルとして知られています。1階には「四国ショップ 88」というお土産店があり、地元の名産品をはじめ、四国各県の特産品をまとめて購入することができます。3階には四国各地の観光案内所もあり、旅の情報をまとめてゲットできるのでとても便利です。さらに、29階には無料の展望スペースが設置されていて、そこから眺める高松市内のパノラマビューや夜景はまさに絶景。中心街からすぐ行ける場所でこれだけの眺めが無料というのは、観光客にも地元民にもありがたい限りです。
アクセス
- 高松港フェリーターミナルから徒歩5分
6. 高松中央商店街

全長2.7km、日本一長いアーケード街
最後にご紹介したいのが、全長2.7kmにもおよぶ日本一長いアーケード街「高松中央商店街」です。丸亀町を中心として、兵庫町、片原町、ライオン通、南新町、常盤新町、常盤町、中新町など8本の商店街が連なるため、どこを歩いていても飽きることがありません。飲食店やお土産店、ファッション専門店など多彩な店舗が並び、観光客だけでなく地元民も日常的に利用する活気あふれるエリアです。


特に丸亀町壱番館の「クリスタルドーム」は、高さ20mのガラス張りドームが印象的なランドマーク。季節ごとにディスプレイが変わるので、イベントシーズンには華やかな飾り付けを楽しむことができますよ。ショッピングと食べ歩きを満喫しつつ、高松らしい街の雰囲気をじっくり味わってみてくださいね。
まとめ
1日あれば十分に高松の主要スポットを回ることが可能。玉藻公園で歴史に触れ、栗林公園で和の美を堪能し、港エリアやシンボルタワーで夜景を楽しむ――美術館・博物館にも足を伸ばせば、文化面も充実した旅になること間違いなし。
アクセス面でも新幹線や飛行機を使えば東京や海外主要都市からの乗り継ぎが容易で、気軽に四国を旅できるのも高松の魅力です。ぜひ一度、瀬戸内の風を感じに行ってみてください。